球場で孤立…大島さと子を救った巨人藤田元監督の気遣い
女子大生リポーターのパイオニアで、キャスターとしても大活躍。今はハワイに住みながら、ドラマやバラエティーに出演するたびに帰国している大島さと子さん(57)にとって恩人は巨人元監督の故・藤田元司さんだ。
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「僕のそばにいなさい」
藤田監督が優しく、こうおっしゃってくださったのは今も忘れられません。1982年3月、東京ドームになる前の後楽園球場でした。その年の2月に成城大を卒業し、4月スタートの巨人軍応援番組「ビバ!ジャイアンツ」(日本テレビ系)の司会兼現場リポーターに抜擢されまして、その取材中の出来事です。
今でこそ女性のスポーツキャスターやリポーターは多いけど、35年前は専門誌に数人、女性記者がいるだけのほぼ男性社会。とくにプロ野球の取材ともなると各社が番記者を送り込み、女性記者は私が初めてといっても過言ではありませんでした。なぜ私が抜擢されたのか? ちょうど江川卓選手や原辰徳選手ら若手が伸び盛りで、球団は“ヤングジャイアンツ”のキャッチフレーズで若いファン層の開拓を狙っていて、番組としても新たな視点でのリポートを期待したようです。