芸能記者が見た有賀さつきさん 奔放の裏に隠した繊細さ
■「楽しくなければテレビじゃない」を体現
この事故後、旧日本テレビでの記者会見をセッティングした芸能リポーターの城下尊之氏はこう言う。
「とても素直な方でした。たったひとりでいらして、質問一つ一つにきちんと対応されて。とても感じがよくて、帰りのタクシーを手配したとき、つい『有名人なのですから、車の運転は控えられた方がいいですよ』って向けてしまったんです。そうしたら、『そうですよねえ。でも、どうしても運転したくって』と笑顔で語ってくれました。フジテレビを退社されて、どこにも所属されていなくて、不安だったのかもしれません」
離婚後はシングルマザーとしてフリーで仕事を続け、テレビでは変わらぬ笑顔を見せていたが、ここ1~2年は激やせが心配されていて、かつらを着用していたことも一部で明かしていた。
最期の瞬間まで闘病をひた隠し、明るいイメージのまま旅立った有賀さん。顔で笑って心で泣く夜もあったに違いないが、「楽しくなければテレビじゃない」というスローガンを掲げたフジテレビのイメージを生涯にわたって体現した人生といえるのではないだろうか。