「海老蔵」名義最後の本公演…秋元康の台本がひど過ぎる

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「鈴ヶ森」は海老蔵の幡随院長兵衛、莟玉の白井権八が妖しい魅力を放ち、この芝居を「美少年もの」として見せて、新鮮。

■浅草公会堂と歌舞伎座は…

 浅草公会堂は尾上松也が「寺子屋」の松王丸と、「仮名手本忠臣蔵」七段目の大星由良之助という大役2つに挑み、大健闘。松王丸は仁左衛門に習ったそうだが、たしかに、仁左衛門に見える瞬間があった。浅草は松也と他の若手との差が課題だが、「寺子屋」では中村隼人が武部源蔵を、七段目では坂東巳之助が寺岡平右衛門をそれぞれ熱演。

 歌舞伎座は中村勘九郎が久々に登場。弟の七之助と、三島由紀夫作「鰯売恋曳網」に出ている。祖父・十七代目勘三郎と歌右衛門、十八代目勘三郎と玉三郎のコンビで演じられてきたものを、この兄弟が継承してきたが、独自のものになってきた。

 市川猿之助と團子の「連獅子」は澤瀉屋の型で、他の役者のものより動きが激しい。それなのにスポーツ的ではなく、演劇としてのファンタジーとなっており、人間が「獅子」を演じているのではなく、「獅子の精」そのものに見えた。

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