関水渚「八月は夜のバッティングセンターで。」は、実にテレ東らしい試み
オリンピックの喧騒も静まる深夜。スポーツ、それも野球を取り込んだ異色のドラマが流されている。「八月は夜のバッティングセンターで。」(テレビ東京系)だ。
舞台は都内にある、ひなびたバッティングセンター。経営者である伯父に頼まれ、夏休みのアルバイトとして受付や雑用をしているのは女子高生の夏葉舞(関水渚)だ。
ある日、客のスイングをじっと眺めている不審な男、伊藤智弘(仲村トオル)を発見。伯父の知り合いで元プロ野球選手だという伊藤は、「バッティングを見れば、その人が抱える悩みや苦しみが分かる」と豪語する。
舞と共に、悩める女性客を“バーチャルな野球場”へとワープさせる伊藤。そこには実物の「レジェンド選手」がいて、彼らが人生のアドバイスを与えてくれるのだ。
社内で自分が評価されないと嘆くゆりこ(木南晴夏)に、元メジャーリーガーの岡島秀樹が「雑念を捨てて黙々と仕事をすればいい」と教える。また、傷つくことを恐れて恋愛に臆病になっていた佳苗(堀田茜)を、楽天などで活躍した山崎武司が「バットを振らなきゃヒットも生まれない」と励ます。いわば“野球に学ぶ人生論ドラマ”という試み。実にテレ東らしい。
ドラマ初主演となる関水の印象は鮮やかで、今後のブレーク必至。女性たちを応援する仲村も、50代半ばの渋さが何ともいい味になっている。