著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

飯野矢住代誕生秘話<23>山口洋子「せっかく美の神に祝福されながら根性は二流だ」

公開日: 更新日:

《彼女の家へボクが行ったことはいちどもありませんが、ボクの部屋へ、彼女は週にいちどくらいずつ遊びに来ました。ボクは乗馬が好きなので、よく誘って出かけました。部屋でふたりでいるときは、よく映画の話、文学の話をしたものです》(同)

 Iが矢住代の自宅に行かなかったのは、この頃、矢住代が母親と同居していたからだろう。「週刊平凡」は「Iと彼女の間に、結婚の話は一度も出なかったし、二人ともその気はなかった」と断じているが、あくまでもIの証言に立ってのもので、実際はどうかわからない。

「歴史にifはない」と言うが、「歴史はifを重ねることで検証されていくもの」というのが筆者の持論である。もし、飯野矢住代がこのとき一人暮らしをしていて、ジョニー吉長がそうだったように、Iの方が矢住代の自宅に入り浸る関係だったら、矢住代の未来は確実に変わっていた。それは間違いないと言ってよく、同時に暗澹たる気分に襲われるのである。(つづく)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動