「旧ジャニーズと宝塚」共通項と相違点は? 今後の鍵を握るのはファンの行動
故ジャニー喜多川氏が男性アイドルを始めるにあたり参考にしたのが宝塚だった。目指したのは「男版宝塚」。実際、舞台構成などよく似ている。大舞台と華やかな衣装。センターにスターが並びバックで踊る新人たち。ファンは「あの子、伸びると思う」と関心を持ち応援する。団員も新陳代謝しながらファンを飽きさせず、さらに増やしていく。公演を主体にした芸能ビジネスを旧ジャニーズは取り入れ成功を収めた。
宝塚は受験で合格した選ばれた生徒たち。2年間レッスンを受け舞台に立つ。はたからは健全な企業に映っていた。スキャンダルもなくメディアもほとんど報じることはなかったが、昨年末ごろから「週刊文春」が内部のイジメ・上級生のパワハラを告発するキャンペーン記事を報道。宝塚は「事実無根」と否定したが、演出家が提訴する事態になっていた。他のメディアはジャニー氏の性加害同様に傍観していた。事態が急変したのは9月。宝塚劇団員(25)が極度の過剰労働と先輩からのパワハラを苦に自死。ようやくメディアも動き出した。
100年を超える伝統劇団にも初のスキャンダルに慌てたかのように初期対応も不手際が目に付いた。過剰労働はある程度認めたが、故人に対するイジメや「ウソつき野郎」といったパワハラは「全て伝聞であり、実際にそのような発言があったことは確認されておりません」と否定した。しかし、外部の弁護士による調査チームは「宝塚から依頼した人が入り公平性に欠けている」と指摘され事態収拾には至らず。新たに団員400人に聞き取り調査を行う。