「緊張」と「弛緩」が原因 中高年のツラ~イ便秘スッキリ解消法
まさか自分が出なくなるなんて……。年を取って、慢性的な便秘に悩まされる中高年が増えているという。あなたは大丈夫?
中高年の便秘は食事や運動の量が減ったり、腸の運動機能が衰えることなどが原因になる。便秘治療の第一人者で、湘南記念病院の酒井義浩理事長は言う。
「一般的に、便秘は『緊張性』と『弛緩性』に大別されます。弛緩性は大腸の筋肉が緩んでうまく便を押し出せなくなることで起こります。緊張性はストレスなどで腸が強く緊張し、便通が止められてしまいます。中高年に起こりやすくなるのは弛緩性です。手や足の筋肉だけでなく、腸の筋肉も衰えて弱くなってくるので、便を出口までうまく運べなくなる。腹筋や背中の筋肉も衰えるので、きばって便を押し出す力も弱くなってしまうのです」
さらに、睡眠の時間や質も便秘の原因になる。大便の多くは夜眠っている間につくられる。睡眠時間が短かったり、眠りが浅いと、出すべきモノが十分につくられないのだ。
「便秘で悩んでいる患者に話を聞いてみると、仕事や家庭の心配事や悩みを抱えている人が多い。ストレスをうまく解消できない状態で就寝しても、時間が短くなったり、眠りが浅くなります。そうなると、便がしっかりつくられなくなるうえ、腸が正常に働くように脳が出している指令が阻害されてしまうのです。中高年になると定年や老後の生活などの心配事が増えるのも、便秘の大きな原因といえます」(酒井理事長)