上沼恵美子が入院 魚介からの感染経路で知る「急性A型肝炎」
タレントの上沼恵美子(58)が入院したことで「どんな病気?」と不安視されているのが急性A型肝炎だ。上沼は2月15日に大阪府の病院に入院。その1カ月前に食べた“生ガキ”が原因とみられている。
医学博士の米山公啓氏に解説してもらった。
「体内にA型肝炎ウイルスを持つ魚介類を生で食べると発症します。一番多い症状は食欲がガタンと落ちること。風邪のような微熱が出て体がだるくなり、進行すると黄疸が出ることもあります。さらに悪化すると劇症肝炎に進んでしまいます。これは血中の血小板が減少し、胃腸などから出血して血が止まらなくなる病気。劇症肝炎は助かる可能性が50%の怖い病気なので、A型肝炎と診断されたら、医者の指示に従って、入院治療をしてください」
魚介類からの感染ルートは人糞が発生源の場合が多い。感染者の便が下水道から海に流れてプランクトンの体内に入り、プランクトンを食べるカキや魚介類に蓄積され、生の料理として人間の口に入る。
「心配な人は医師に相談して、A型肝炎ワクチンの注射を受けることをお勧めします。ノロウイルスのようにトイレなどで空気感染もするので、接待などでお寿司屋さんによく行く人は注意が必要。家族を2次感染させないよう気をつけてください。衛生状態の悪い外国に旅行するときは飲み水から感染することもあります。70代以上の高齢者はとくに気をつけてください」(国立感染症研究所ウイルス第二部・石井孝司室長)
心配な人は、魚介類は火を通して食べたほうがいいだろう。