集団感染が続々…間違いだらけの「ノロウイルス対策」
寒い季節になり、各地でノロウイルスの集団感染が相次いでいる。22日、「ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル」の客181人が下痢などの体調不良を訴え、89人からノロウイルスが検出されたことが発覚。女子栄養大坂戸キャンパスでは学生と教職員計146人が感染し、奈良大付属幼稚園でも4~6歳の園児28人が嘔吐(おうと)や腹痛を訴え、2人からノロウイルスが検出されている。
今のところ重症患者は出ていないが、激しい下痢や嘔吐による脱水症状で死亡するケースもある。抵抗力が弱い子供や高齢者だけでなく、体力がある若者も感染するから油断できない。東京顕微鏡院理事の伊藤武氏(麻布大学客員教授)が言う。
「ノロウイルス感染が12~1月の冬季にピークを迎える理由は、はっきりとは分かっていません。ただ、ノロウイルスは高温に弱いため、夏場は2~3日で死滅しますが、冬場は1~2週間も生き続けるケースが確認されています。長く生きる分だけさまざまな場所へ拡散し、感染する確率が高くなると考えられます」
ノロウイルスは抗生物質が効かず、有効なワクチンも開発されていない。感染しないためには日頃の予防が重要になるが、多くの人は誤った対策を実践しているという。