痛くも恥ずかしくもない! カプセルで大腸がんチェック
「後押しの下剤を飲まないと、大腸カプセル内視鏡のバッテリー切れになり、大腸をくまなく調べられません」
それでも、大腸カプセル内視鏡をいち早く臨床に取り入れた海外より、下剤の量は非常に少ない。海外では検査前日と当日の2日間絶食で、合計6リットルの下剤を飲む。最近は、日本の3.8リットルの下剤を見習い、少なくする傾向にあるという。
大腸カプセル内視鏡できちんと理解しなくてはならない点がもうひとつある。
「ポリープの有無は調べられますが、切除はできません。もし、治療が必要と思われるポリープが見つかったら、必ず大腸内視鏡を受けなくてはなりません」
残念ながら健康保険の対象になるのは、「大腸内視鏡を受けたけど、内視鏡が大腸の奥まで入らなかった人」。現段階では、「大腸内視鏡をやる前に大腸カプセル内視鏡」という人は自費になる(10万~11万円程度)。国立がん研究センター中央病院内視鏡科では、大腸カプセル内視鏡を無料で受けられる臨床研究を開始していた。
大腸がん検診とは別に、大腸カプセル内視鏡の新たな役割として、潰瘍性大腸炎の患者の炎症の評価の手段としての研究もほかの医療機関で進められている。目が離せない検査法であることは確かだ。
ちなみに、腸に狭窄(きようさく)がある人にはこの検査は向いていない。