腎臓病、リウマチ、潰瘍性大腸炎…鼻うがいで病気は治る
細菌などに感染した病巣が体の離れた部分に病気を引き起こす「病巣感染」という現象が起こり、長引く炎症が自己免疫システムの誤作動を招く。細菌などを攻撃していた病巣の好中球やマクロファージと呼ばれる白血球が、病巣が発する間違った指令によって血液に乗って全身に移動し、今度は自分の体の臓器などを傷つけてしまうのだ。
■歯と扁桃が危険スポット
中でも、病巣になりやすい場所として知られるのが歯と扁桃だ。歯周性病巣は心疾患、扁桃の炎症は腎臓の血管が破れるIgA腎症の原因といわれている。
「IgA腎症の場合、まずは病巣になっている扁桃を摘出します。これで間違った指令のもとを断てますが、白血球の“自爆攻撃”はその後も続く。それを抑えるため、ステロイドホルモンの投与を併用した『扁摘パルス』を行いますが、血管破壊が収まらず血尿が続くケースが2割ほどあるのです。そこで、上咽頭が新たな病巣になっている可能性を考え、塩化亜鉛を上咽頭に塗布する治療を実施したのです。実際、血尿が続いていた2割の患者さんも完治しました」