5割が該当 ひかない「足のむくみ」は静脈還流障害のサイン
■無頓着な男性が危険
女性と比べ、男性はむくみに無頓着だ。ズボンだとふくらはぎが見えないので、そもそも気がつきにくい。知らないうちに、静脈還流障害を起こしているかもしれない。
「ふくらはぎや足首のむくみがあり、むくみに伴う足のだるさ、重さ、つっぱり感、痛み、熱感、かゆみなどがある場合は、静脈還流障害が疑われます。むくみは、すねを指で5秒以上押して、パッと指を離した後にくぼみが残るかどうかで判断するといいでしょう」
静脈還流障害は、冬と夏に起こりやすい。
「冬は寒くて血行が悪くなる。夏は暑さで静脈の血管が広がり、血液が逆流しやすくなり、血液の中の水分が体内に漏れやすい」
しかも夏は、暑くて運動不足に陥りがちで、ふくらはぎの筋肉のポンプ機能が働かなくなる。エアコンの効いた部屋で過ごし、冷たい飲み物や食べ物、特にビールなどと一緒に塩辛いつまみを食べていれば、体が冷えて冬と同じようになり、体の水分バランスが崩れる。
むくみの段階で手を打っていればいいが、静脈還流障害が進行すると、下肢にこぶができる下肢静脈瘤や、心筋梗塞の恐れもある静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)などを起こし、重症化すれば足の色素沈着、潰瘍などに至る。