ネットでインフルエンザの流行を知る
いよいよ年末。毎年のことながら、インフルエンザのシーズンに突入です。
ところで、インターネットの検索エンジン、グーグルの「インフルトレンド」をご存じですか。
グーグルが提供する、世界のインフルエンザの流行を予測するサイトです。
グーグルには世界中から、毎日何十億という検索が舞い込みます。検索が行われた時刻、場所、検索ワードなどが、サーバーにビッグデータとして蓄積されるのです。それらを詳細に分析することで、いま世界のどこで、インフルエンザが興味を持たれているかが分かり、そこから流行の範囲や度合いを、正確に予測するという仕掛けです。
日本では国立感染症研究所が定点観測を行っています。これは、全国約5000カ所の指定医療機関を受診した患者を、1週間ごとに集計するというものです。医師が診断した患者数が集計されるので、その方が正確なように思えます。
しかし、インフルトレンドの予測は、幅広く現状を把握でき、定点観測よりも速く、かつ正確であることが多いといわれています。ビッグデータの威力です。
インフルトレンドによれば、今シーズンは昨シーズンより1カ月以上も流行の立ち上がりが早くなっています。過去数年で、最大の流行になるかもしれません。
長浜バイオ大学・永田宏教授(医療情報学)