県庁所在地1個分が消える

公開日: 更新日:

 日本全体で、1年間にどのくらいの人が亡くなっているか、ご存じですか。90万人? それとも100万人?

 昨年亡くなった人の総数は、なんと約127万人でした。これは岩手県の人口に匹敵する数字です。年間死亡者は、1990年(約90万人)以降、ずっと右肩上がりで増加しています。ここ数年は、毎年約2万人の割合で増え続けているのです。

 一方、出生数は、ご存じのとおり減少の一途をたどっています。昨年の出生数は約103万人。秋田県の人口とほぼ等しい人数です。出生数は1990年代をとおして、年間120万人のラインを行ったり来たりしていましたが、2000年以降は完全に右肩下がりの減少局面に入ってしまいました。最近では、毎年約1万人の割合で減っています。

 昨年の出生数と死亡数の差は、約24万人でした。つまり、それだけの人口が減ったわけです。これは、茅ケ崎市や松本市、草加市などの人口に匹敵します。全国的に名の知れた、それなりの規模の地方都市1個分の人口が、減少した計算になります。今年1年間の人口減は、約27万~28万人と予想されています。この人口に該当する都市は、山形市、徳島市、福井市、水戸市、津市、青森市などです。つまり、いよいよ地方の県庁所在地1個分に相当する人口が、消滅する時代に入りつつあるのです。

長浜バイオ大学・永田宏教授(医療情報学)

【連載】健康医療データの読み方

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動