鼻詰まりが人生を左右 「子供は早急な対策必要」と医師警鐘
あなたの子供が「授業中、落ち着きがない」「居眠りばかりしている」と担任教師から指摘されたら、鼻詰まりが原因かもしれない。「鼻のせいかもしれません―親子で読む鼻と発育の意外な関係」(筑摩書房)を出す「鼻のクリニック東京」の黄川田徹院長(こどもの鼻ユニット診療部長)に聞いた。
「私は20年以上、鼻の病気の治療を行っていますが、この数年、お子さんの鼻詰まりが体へ与える影響の深刻さを痛感しています」
A君(6歳)は席に座ると、15分ほどでモジモジし始め落ち着きがなくなる。小学校の担任からもしばしば指摘を受けていた。
その2年ほど前から睡眠中のいびきがひどく、口呼吸も目立っていた。耳鼻咽喉科を受診したが、処方されたアレルギー性鼻炎薬では効果がなかった。
別の病院では、睡眠時の寝苦しさを解消する気管支拡張剤を使用するよう指示されただけ……。そんな時「子供の鼻の治療に力を入れている」と知人から紹介され、黄川田院長の外来を受診。
「A君の鼻の中は重篤な鼻詰まり状態でした。お母さんは、夜中に何度も無呼吸を起こしていると言います。検査では、最長無呼吸状態は23秒でした」