排便障害も…流行の「炭水化物抜き」は腸に悪いと医師警鐘
60代の男性患者は、糖尿病のために朝食は紅茶、昼食は肉類と野菜、間食にナッツ、夕食は焼き魚や焼き肉、野菜炒め、ウイスキーの水割り数杯の生活を半年間続けた。
すると体重が78キロから65キロまで減少(身長170センチ)したが、同時に腹部膨満感と残便感に悩まされるようになった。
「私が提唱している『停滞腸』を起こしていました。腸の活動が衰え、蠕動運動などがほとんど起こらなくなっていたのです。この患者さんのようなケースは、特に男性で炭水化物の摂取を制限している人に典型的です」
■食物繊維が多く低カロリーの物を上手に摂取
松生院長は食物繊維に焦点を当て、腸の健康維持のための効率の良い取り方を患者に指導している。カギになるのが、日本食品成分表をもとに松生院長が考案したオリジナル指標「F・I値(ファイバー・インデックス値)」と、「S・F値(サルバブル・ファイバー値)」だ。
F・I値は食品100グラム中のカロリーと食物繊維量の比率で、低いほど食物繊維が多く低カロリー。