“生物学的製剤”続々登場で「喘息治療」はガラリと変わる

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 次の大きな変化は、2009年。日本で初めての生物学的製剤「オマリズマブ」が登場した。

「アレルギー反応を引き起こす体内のIgE抗体の働きを抑えます。アトピー型喘息で、吸入ステロイドなどを使用しても状態が悪い重症患者に使用されます」

 この生物学的製剤は、約6割の患者に効く。「6割」というと高くない確率に思えるかもしれないが、対象となるのが「どの薬を使っても効果がなかった患者」だ。それで6割であれば、「よく効く」と考えられる。

■重症患者向けの新薬研究も

 さらに、これから数年で生物学的製剤が続々と登場する予定だ。オマリズマブはIgE抗体に作用するが、今夏に認可されるだろうといわれる薬は「IL-5」というサイトカイン(炎症を起こすタンパク)に作用する抗体だ。「IL-4」や「IL-13」という別のサイトカインに作用する薬の研究も進んでいる。

 いずれも「長期管理薬をきちんと使っていても喘息の発作をうまくコントロールできない重症患者」が対象とみなされているが、今後の期待として、相良教授は「個別化治療」を挙げる。

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