発見時4割手遅れ 糖尿病専門医が教える膵がんの見つけ方

公開日: 更新日:

「確かに膵がんになると血糖値が急激に上がるといわれていますが、実際はそれほど多いわけではありません。膵がんの90%以上は膵管にできるため、膵臓の一部でしかないβ細胞は、傷つかない人も多いのです」

■1センチ以下のがんもOK

 牧田院長のクリニックでは年間2000人以上の糖尿病患者が来院し、うち2人程度が膵がんになるという。しかし、血糖コントロールはむしろ良いケースが多いという。

 では、膵がんを早期発見する方法はないのだろうか?

「私は患者さんに50歳を過ぎたら、年に1回、胸部から腹部にかけてのCTとお腹のMRIであるMRCP(MR胆管膵管撮影)を受けるよう勧めています。MRCPは胆汁や膵液の撮影を強調する方法で、膵がんを見つける大きな武器になります」

 昨年、50代の男性はCTスキャンで「膵管拡張の疑いあり」と診断された。MRCP検査を受けたところ、2ミリほどの膵管がんが発見され、無事手術で切除したという。

「以前、当院では6ミリごとに画像にする、胸部から腹部にかけてのCTだけを勧めていました。しかし、毎年CT検査を受けていた60代の会社経営者が膵がんを発見できずに亡くなった。その経験からMRCPを勧めるようになったのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」