うがい薬は本当に必要か
風邪予防にはうがいが大事といいますが、うがい薬は必要? 教えてくれるのは、池袋大谷クリニックの大谷義夫院長です。
「実は、ヨードうがい液が風邪予防に効果的でないと考えられる実験結果があります。ヨードうがい液でうがいをしても、うがいをしなくても、風邪の発症率はほとんど変わらなかったのです」
ヨードうがい液とは、殺菌作用のあるポビドンヨードが含まれる、あの昔ながらの濃い茶色のうがい薬のこと。
京都大学の研究チームが「ヨード液でうがいをした群」「水でうがいをした群」「うがいをしなかった群」の風邪発症率を調べたところ、水うがいは1カ月あたり17%でした。それに対してヨード液は23・6%と明らかに高く、「うがいをしなかった群」26・4%とほぼ同等だったのです。
「この原因ははっきりわかりませんが、うがい薬の殺菌作用が喉の細菌叢にダメージを与えたからではないかといわれています」
喉に必要な常在菌まで殺してしまい、免疫が下がった可能性があるということです。では、ヨードうがい液は使わない方がいいのでしょうか?
「健康な時に使うと弊害があるかもしれませんが、風邪をひいている時には有効です。のどの炎症を起こす菌やウイルスを減らすことができるからです」
風邪予防のためには水うがい、風邪の時には茶色のうがい薬、が正解です!