がん治療 キイトルーダの方が効くと言われるのはなぜか?

公開日: 更新日:

都内の50代開業医

 いよいよ、オプジーボに続き、キイトルーダと呼ばれる抗PD-1抗体製剤が使えるようになりました。中央社会保険医療協議会総会で、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対して1日薬価3万9099円が決定したのです。同時に、それに関連する検査(PD-L1タンパク免疫染色病理組織標本作成)やオプジーボ、キイトルーダを使用できる医療施設や投与対象患者、そのための注意事項などをまとめたガイドラインも承認されたそうです。

 がん細胞の表面にはPD-L1と呼ばれる分子があらわれ、キラーリンパ球の内側にあるPD-1とくっついて「殺すな」という信号を発します。このPD-L1が大量に発生していれば、がん細胞は殺されずどんどん大きくなっていきます。

 それを阻害するのがキイトルーダやオプジーボです。本来、どちらも、効果が変わらないはずなのにキイトルーダの方が効果がある、と考えられています。なぜなのでしょうか?

 それは薬の承認の過程の差です。オプジーボは非小細胞肺がんでの認可を受ける際、抗がん剤治療を受けて効果がなかった患者さんを対象にしてその効果を証明しました。その後、抗がん剤を使わず最初からオプジーボを使ったときの効果を証明しようとしましたが、失敗しました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  2. 2

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  3. 3

    「65歳からは、お金の心配をやめなさい」荻原博子著

  4. 4

    佐々木朗希「通訳なし」で気になる英語力…《山本由伸より話せる説》浮上のまさか

  5. 5

    タモリが「歌う日露戦争」と評した圧巻の紅白歌合戦パフォーマンス

  1. 6

    高額療養費問題が参院選を直撃か…自民が噴出「立憲の凍結案のまざるを得ない」に透ける保身

  2. 7

    大阪万博パビリオン建設は“24時間体制”に…元請けの「3月中には完成させろ!」で危惧される突貫工事の過酷労働

  3. 8

    西武・西口監督が明かす「歴史的貧打線」の原因、チーム再建、意気込み、期待

  4. 9

    松本若菜に「小芝風花の二の舞い」の声も…フジテレビ“2作連続主演”で休めない“稼ぎ頭”のジレンマ

  5. 10

    大阪万博「歯抜け開幕」ますます現実味…海外パビリオン完成たった6カ国、当日券導入“助け舟”の皮肉