医療が介入しないと納得しない風潮に問題がある

公開日: 更新日:

 それが老衰死のみとりを妨げ、体中にチューブやセンサーをつけた“スパゲティ症候群”で亡くなる人を増やしているのだ。

 点滴や酸素吸入もしない、医師もいない状態で亡くなっていくのは悪いことではない。むしろ、亡くなる本人にとっては楽かもしれない。しかし、そうするためには周囲が死を学び、それを理解する必要がある。

「今はお年寄りであっても、人の死に立ち会ったことがない人が増えている。立ち会ったとしても病院死しか見ていないから、死は不安で苦しくて怖いもの。医療を通過しなければいけないものと思い込んでいるのです。大切なのは、周囲の人が『衰弱死は悪くない。いいんだ』と理解していくことです。それには、死を学ばなくてはなりませんし、それを『自分のこと』と考えておかないと、自分の死はひどいことになると覚悟する必要があります」

【連載】「多死社会」時代に死を学ぶ

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」