筋力低下でがん死亡率上昇 「サルコペニア」をどう避ける

公開日: 更新日:

 なぜ、サルコペニアがあると死亡リスクが高くなるのか?

「ハッキリはわかっていませんが、考えられるメカニズムのひとつは次のようなものです。一般的に手術をすると患者は強いストレスを受けます。そのことでタンパク質の異化(複雑なものを分解してエネルギーを作り出す)が起こり、手術後1週間程度は食事ではなく骨格筋を分解することでエネルギーを得ようとするのです。このとき、タンパク質の塊である筋肉が一定量なければ、ストレスをはねのけるためのエネルギーが足りなくなり、代謝やホルモンのバランスも乱れ、最終的に体が弱ってしまうのです」

 神奈川県立がんセンターが、胃がん切除手術を受けた281例を対象に「術前」「術後7日」「術後30日」の体組成を調べたところ、体重減少中央値は手術後7日で2.1キロ、30日で1.2キロだった。この間、筋肉量をあらわす除脂肪体重も大幅に減った。

 同様な研究は他にもあり、365例の大腸がん開腹手術を対象に調べた研究では、術後10日間で筋肉量が大幅に減少し、術後10~30日の減少量よりも多かったという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  3. 3

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 4

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  5. 5

    マイナ保険証「期限切れ」迫る1580万件…不親切な「電子証明書5年更新」で資格無効多発の恐れ

  1. 6

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  2. 7

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  3. 8

    Mrs.GREEN APPLEのアイドル化が止まらない…熱愛報道と俳優業加速で新旧ファンが対立も

  4. 9

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  5. 10

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差