肺がん専門医解説 キイトルーダはオプジーボと何が違う?
ただし、キイトルーダも使用できる患者の条件がある。肺のがん組織を気管支鏡で採取し、がん細胞にどの程度PD―L1が発現しているか検査をする。薬が効きそうな患者を絞って投与が認められている。
キイトルーダを1次治療で使う場合はPD―L1の発現が50%以上(全体の約3割)、抗がん剤が効かない2次治療で使う場合はPD―L1の発現が1%以上(同5割弱)の患者が対象になる。
「オプジーボの場合、これまでPD―L1の検査をせずに2次治療で使うことができました。しかし、今年2月に最適使用推進ガイドラインが出て、『非扁平上皮がん(主に腺がん)』ではPD―L1の検査が必要になりました。それで発現が1%以上ならオプジーボが使えますが、1%以下では先に抗がん剤の『ドセタキセル』を使うことになっています」
◆値段は同じだが通院回数に違い
PD―L1の検査は、一般的には外注(診断薬メーカー)で調べるので、結果が出るまで1カ月くらいかかるという。キイトルーダの用法・用量は、3週間間隔で1回200ミリグラムを30分かけて点滴静注する。オプジーボの1回の用量は体重によって異なり、2週間間隔で点滴静注する。オプジーボの承認時は高額な薬代で話題になったが、いまは両方とも同一で1日薬価は3万9099円だ。