雛形あきこさんは除菌成功のピロリ菌 胃がんとの関連は
塩分の多い食事や喫煙も胃がんのリスクといわれます。この2つも同様で、それぞれ単独より、ピロリ菌感染と重なる方がリスクが高い。「ピロリ菌感染+喫煙」の人は、「ピロリ菌感染ナシ+非喫煙」の人に比べて11倍も胃がんになりやすいのです。
ピロリ菌感染は胃がん発生のベースで、胃がんの人は感染率が95%なのです。ただし、感染者が実際に胃がんを発症するのは1%以下。それでも、感染していなければ、ほとんど胃がんにならないため、除菌治療が重要視されるのです。
ピロリ菌は、衛生状態がよくない水や食べ物から感染して、胃の粘膜にすみつきます。上下水道が整備され、井戸水を飲まなくなったことや、冷蔵庫の普及で食べ物の保存状態がよくなり、ピロリ菌の感染率が低下しました。若い人ほど感染率が低いのはそのため。
日本より30年早く冷蔵庫が普及した米国で、胃がんの患者数は白血病やすい臓がんより少ない。日本も胃がんの患者数は低下傾向で、さらに除菌が普及すれば、胃がんは“過去のがん”になるでしょう。
ピロリ菌がいなければほとんど胃がんにならないと書きました。そのひとつに、難治性といわれるスキルス胃がんがあります。高齢者の場合は、除菌に成功しても、過去に感染した“履歴”が消えるわけではありません。ですから、除菌後も禁煙や減塩を心がけ、胃がん検診も大切です。