「悪性リンパ腫」には様子をみていいタイプもある
悪性リンパ腫は「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」に大別され、そこからさらにたくさん分類されます。非ホジキンリンパ腫は大まかには「瀰漫性」と「濾胞性」に、また「T細胞型」「B細胞型」「その他の型」に分かれます。さらにリンパ節腫大の広がりでステージⅠ~Ⅳ期に分かれます。日本人に多いのは「瀰漫性B細胞型」です。
治療は抗がん剤治療が中心です。限局した箇所には放射線治療が行われることもあります。瀰漫性B細胞型の5年生存率は、限局している場合(Ⅰ、Ⅱ期)は85%以上、進行期(Ⅲ、Ⅳ期)でも55%以上です。治療によってリンパ節の腫大が完全に消えきるかどうかが予後に関わってきます。
悪性度の高いT細胞型やバーキット型のタイプでは、リンパ節の腫大は急激に進行し、治療に抵抗して重症となる場合が多くあります。一方、濾胞性リンパ腫は多くが低悪性度ともいわれ、状態によって治療法、経過が大きく違います。治療なしで経過を見る場合もあり、進行期(Ⅲ、Ⅳ期)では、治療によってリンパ節の腫大が完全に消えることはなかなか難しいのですが、それでも多くは長期(5年以上)の生存が期待できます。