著者のコラム一覧
高橋三千綱

1948年1月5日、大阪府豊中市生まれ。サンフランシスコ州立大学英語学科、早稲田大学英文科中退。元東京スポーツ記者。74年、「退屈しのぎ」で群像新人文学賞、78年、「九月の空」で芥川賞受賞。近著に「さすらいの皇帝ペンギン」「ありがとう肝硬変、よろしく糖尿病」「がんを忘れたら、『余命』が延びました!」がある。

胃の4分の3を切った後の高熱は明らかに医療ミスだった

公開日: 更新日:

「切りましょう。スッキリしますから」

 34歳のときに十二指腸潰瘍を患った私は、医師にこう告げられ、胃の4分の3を切除する手術を行った。取材中に水あめのようなヨダレが出たり、下痢や便秘を交互に繰り返したり、常に胃がズキズキと痛む状態だった。注射を打つと一時的にその症状は治まるものの、毎日がたまらなかった。

 それだけに手術には同意したが、潰瘍を治すにあたって胃をこれほど切る必要があるのかということには疑問を持った。

「そんなに切るんでしょうか? それって胃がんではないでしょうか」

 こう質問してみたが、違うという返答だった。医師は「今、手術しなければ、酒が飲めなくなる」と続けた。これが私には一番つらかった。

 ところが、手術後に高熱が出て、2週間の予定が、入院は何と2カ月に延びた。今なら明らかに医療ミスということになるが、当時の私は多くの患者がそうであるように、病気や治療について無知だった。文芸美術国民健康保険の高額医療の助成はあるものの、納得がいかないまま2カ月分の入院代を支払った。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議