皮膚にピリピリ痛みと発疹 「帯状疱疹」患者は夏に増える
「このことがさらなる災難を呼ぶことがあります。帯状疱疹の痛みは一時的な炎症の痛みです。抗ウイルス剤や鎮痛剤で軽くすることができます。それを放っておくと、水痘・帯状疱疹ウイルスが神経を攻撃し、神経そのものを変性させる程度が強くなります。結果、痛みが長期間続く。これが帯状疱疹後神経痛(PHN)で、20年以上苦しむ人もいます」
帯状疱疹の背後には糖尿病のほか、がん、白血病、HIVなどの重大病が隠れていることもある。
「HIV患者さんの中には帯状疱疹が最初の体の異変という人も多い。私も複数のHIV患者さんを見つけました。がんや白血病も免疫力が落ちるので、帯状疱疹の発症リスクは上がります」
がんや白血病の治療として、抗がん剤や放射線を浴びることで帯状疱疹が表れることもある。
「神経障害が出るほど重症化した糖尿病患者さんは、帯状疱疹にかかりやすく、かかっても気がつきにくい。治療が遅れがちです」
帯状疱疹は合併症にも気を配る必要がある。