汗かかず夜中トイレは要注意 「夜間熱中症」はこう防ぐ
■寝ている間はクーラーを切らない
では、どんな部屋で寝ている人が危ないのか?
「外断熱でないマンションなど鉄筋コンクリート製の部屋に住んでいる人です。鉄筋コンクリートは日中の強烈な日差しの熱をため込む性質があり、夜間になってもその熱を室内に伝えるからです」
とくに屋根の温度が天井から伝わる最上階は室内の温度が上がりやすい。2階建てなら、夕方まで西日が当たる2階の西側の部屋が危険なエリアになる。
「よく、西日が当たる部屋は暑い、といわれますが、それは西日に熱量があるわけではありません。一日中、日にさらされ気温がぐんぐん上がり、その気温が下がらないうちに西からの太陽光線を浴びて暑く感じるのです」
また、熱中症での緊急搬送が多くなるのは、「気温35度・湿度46%」から「気温25度・湿度84%」の範囲。気温が下がってきても湿度が高い場合には、夜間熱中症に気をつける必要がある。
「寝るときは体に風が直接当たらないようにして、クーラーは切らないこと。タイマーを使ってクーラーが途中で切れると、外壁にこもった熱気が寝ている間に侵入してくるのを防ぐことができません。寝る前に水分を補給しておくことも大切です。ただし、アルコールやコーヒーは利尿作用があるため水分補給にはなりません。スポーツドリンクもいいのですが、糖分が入っているので飲み過ぎには気をつけましょう。汗が蒸発しやすいようタオルケットはお腹だけにかけるのが良いでしょう」