専門医が解説 白内障手術で知っておくべきポイント
■多焦点レンズにもそれぞれ特性が
もし、メガネを極力かけたくないのなら、「多焦点眼内レンズ」がある。
「単焦点レンズの場合、手術後にメガネが必要ない人は2割以下。多焦点レンズでは8割程度にメガネが必要ないといわれています」
多焦点レンズにはデメリットもある。まず、保険対象外なので費用がかかる。医療機関によって違うが、だいたい片目で30万~40万円かかる。
次に、すっきり見えるようになるまで手術から3~6カ月ほどかかることがある。
「遠く」「近く」の2つに焦点が合っているため、脳が慣れるのに時間がかかるのだ。まれではあるが、どうしても慣れず、頭痛やめまいに襲われる人もいる。
「神経質な人は多焦点レンズは向いていません」
さらに、若い頃のように遠くから近くまですべての距離にピントが合うわけではないので、多少メガネが必要になることもある。
そして、多焦点レンズすべてに言えることだが、薄暗いところや暗いところでは「光がにじむ、流れる」見え方(グレア・ハロー現象)になり、夜の運転時などに困難なことも。
とはいえ、最近発売されたグレア・ハロー現象を軽減するように作られた多焦点レンズなど、同じ多焦点レンズでもさまざまな特性がある。
「多焦点レンズでは、過剰な期待をせずに、それぞれの特性をよく知って選ぶといいでしょう」