M・アントワネットの「一夜にして白髪に」は実際あるの?
■成長期が長いほどなりやすい
では、なぜ人は年を取ると白髪が増えるのか。
「毛は毛根の先端にある毛乳頭の毛母細胞で作られますが、元は白い色なのです。それが毛の成長過程(外に押し出される過程)で色がつくのは、毛母細胞のところに共存する色素細胞(メラノサイト)の働きでメラニン色素が産生され、色素が送り込まれるからです。年を取ると色素細胞が減ったり、メラニン色素を作る機能が低下したりして白髪が増えるのです」
加齢だけでなく、ストレスや精神的ショック、メラニンを合成する栄養不足、薬剤(シミ取りの薬など)、遺伝的素因なども白髪の原因(機能低下)になるという。若白髪や苦労をすると白髪が増えるのもそのためだ。
では、体毛の白髪があまり見られないのは、どういうことなのか。
「毛のヘアサイクルは体の部位で違います。髪の成長期は4~6年、眉毛は3~4カ月、体毛は3~5カ月、まつげは1~2カ月。成長期(細胞周期で増殖期)が長いほど毛包の細胞が紫外線の影響を受けやすく、白髪が起こりやすいという報告があります」