子宮頸がん克服 ドラマー小林香織さんが説く検診の重要性
■味覚の変化や排尿障害も
手術は6時間50分の長丁場。生まれて初めての全身麻酔でした。術後、名前を呼ばれたときは傷口が痛く、とにかく寒くて震えが止まりません。病室に残った父に手を握ってもらいました。無性に人肌が恋しくて、皮膚のぬくもりが欲しかったことを覚えています。
手術を受け、これで無事治療も終わりと思っていたのですが、わずかにリンパ節に転移が認められ、抗がん剤治療をすることになりました。予想していなかったことだったので、この先どうなるのかと不安が募りました。
抗がん剤治療は1クール2投与で、1投与目が入院、2投与目が通院。毎月1クールを5カ月かけて行いました。ひどい吐き気と倦怠感に襲われて、電車で通院されている方もいると聞きましたが、とてもじゃないけれど自分には無理だと思いました。
あの時期は、味覚がガラリと変わり、炭酸飲料や甘いミルクティーばかり飲んで、脂っこいものや果物が大好きになりました。夫の両親が送ってくれる果物がもう、おいしくて。