治療の第一人者が警鐘 子供は1週間でネット依存状態に
ネット依存に陥るスピードは想像以上だ。
「1カ月、早い子供では1週間前後で“依存”と言える状態になる。パソコンでのオンラインゲームがきっかけになる子供が多いが、SNS、インスタグラム、動画などさまざまなもので依存が生じます」
オンラインゲームは自室にこもりっきりになるので、度が過ぎれば親も気付きやすい。一方、SNSやインスタグラムの“主戦場”は、歩きながらでも使えるスマートフォン。頻繁に画面を見ていても、若者にありがちな行動として見過ごされやすいが、依存の深刻さはオンラインゲームの場合と同等だ。
樋口院長は、日本のアルコール依存症、ギャンブル依存症研究の第一人者であり、臨床医だ。しかし、子供のネット依存の治療の難しさは群を抜いているという。
「相手が子供ということが大きい。同じ依存でも大人はある程度自分をコントロールする力がついている。子供はそれが乏しく、欲情、感情に支配されやすい。さらに、子供は嫌だと思ったら絶対に治療を受けない」
だからこそ、ネット依存の兆候を示したら、できるだけ早い時期に治療者へ結びつけることが非常に重要だ。それができるのは親しかいない。