見逃しは減り排尿障害も回避 前立腺がん最新検査と治療法
「450症例の患者さんに新しい生検と従来の生検を同時に施行した結果、従来の生検のがんの検出率35%に対し、新しい生検は検出率54%。予後が悪いがんの検出率は、従来の生検では20%、新生検では47%。明らかに有意差がありました」
さらに前立腺を切除後、標本を用いてがんの場所、見逃しの有無について調べると、従来の生検のみでは予後に影響するがんの検出率は42%だったが、新たな生検では90%だった。
■術後24時間で退院可能
この新しい生検は先進治療Aとして昨年承認され、11万300円で実施。全国7カ所の病院で行われている。従来の生検では過剰診断・過剰治療につながる可能性があり、今回の新しい技術はそれを避けることにつながると期待されている。
小路医師らはこの生検を利用して新たな治療にも取り組んでいる。性機能や排尿に影響する部分を可能な限り温存する「前立腺部分治療」だ。
前立腺がんは、たとえ患者への体の負担が少ないロボット治療(腹部に数カ所穴を開けて内視鏡とロボットアームを挿入してがんを切除)でも、術後合併症として勃起障害、排尿障害が出てくることがある。