見逃しは減り排尿障害も回避 前立腺がん最新検査と治療法
前立腺がんに対し、東海大学医学部付属八王子病院が新たな試みをしている。泌尿器科准教授の小路直医師に話を聞いた。
前立腺がんの早期発見のために行われているのがPSA検査だ。4(ng/ミリリットル)以上で前立腺がんの疑いありとなり、前立腺生検が実施される。
前立腺生検は肛門または会陰部から前立腺へ6~20本ほどの針を刺し、超音波検査でがんの有無を調べる検査だが、いくつかの問題点がある。
「痛く、出血や感染症のリスクがあり、がんを見逃す可能性がある」
そこで小路医師らが行っているのは、超音波にMRIを組み合わせた検査だ。超音波はがんの輪郭や大きさを大まかに把握できるが、内部構造までは分かりにくい。そこで特殊な機器で、内部構造が分かるMRIの画像と融合。がんがあれば3次元の画像として映し出され、生検に移る。
「PSA4以上→MRIと超音波で評価↓必要に応じて生検」という新たな流れによって、不要な生検と前立腺がんの見逃しが減少。近年、前立腺がんは体積0.5㏄以上の大きいがんであれば生命予後に影響し、小さいがんは予後に影響しにくいと分かってきたが、予後に影響するがんの見逃しも減った。