「スキンシップが多い子供ほど学力が高い」のはなぜだ?
「オキシトシン」は、脳の下垂体から分泌されるホルモン。ストレスを緩和し幸せな気分をもたらしたり、信頼や愛情の感情に関わることから「幸せホルモン」「愛情ホルモン」「絆ホルモン」などと呼ばれる脳内物質だ。
「フィンランドの子供が毎年、PISA学力調査で上位にランクされています。その理由として家庭でも学校でもスキンシップが多いことが指摘されています」
山口教授の研究でも、小学生に自画像を描いてもらい、各子供の知能指数を出してみたところ、家庭でよく触れられている子供は、あまり触れられていない子供に比べて、知能指数が高い結果が出ている。自画像を分析すると家庭で触れられた子供ほど自尊心が高いことが分かったという。オキシトシンは日常的に触れ合うことで分泌が高まり、効果が増していく。しかし、子供が思春期になると触れることを嫌がるようになるので、触れ方にもコツがいる。
「部活や勉強を励ますように『頑張れよ』と肩を叩く程度でもいいのです。それに運動部であれば筋肉痛に悩まされることが多いので、マッサージをしてあげれば自然に触れることができます」
夫婦間でも触れ合うことが大事。山口教授は「脳と皮膚の細胞は同じ『外胚葉』でつくられていて、皮膚は『露出した脳』なのです」と言う。