ウイルスサイズの医療ロボットが認知症やがんを治療する

公開日: 更新日:

 例えば、注射で抗がん剤を搭載したナノマシンを血管に送り込むと、全身のがん細胞に集まる。血管は栄養素や酸素を細胞に供給するため無数の穴が開いているが、急速に増大するがん細胞の血管の穴は正常な血管のものよりも大きい。そのため、正常な組織は素通りしてがん細胞に入るという。しかも、がん細胞はナノマシンが近づくと“敵だ”と判断して膜に包んで酸を放出して溶かそうとする。その刺激を受けると、ナノマシン自ら壊れ、中の抗がん剤を放出する。

「こうした刺激に応じて高分子ミセルは、内包薬剤を放出するという機械的動作を行う点で、広義のマシンと見なすことができます。それがマシンと呼ぶゆえんです」

■早ければ3年後に実用化

 すでに、ナノマシンを使った膵臓がん治療に対する臨床試験は最終段階にあたる第3相試験に入っている。早ければ3年後には実用化される見込みだという。がんに関してはほかに、ナノマシンががん細胞に集まる特性を利用してMRI(磁気共鳴画像診断装置)の造影剤を搭載することで、がんの早期発見を可能にする研究も進んでいるという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動