<5>O型は人類がマラリアに対抗するために生み出された
ところがO型は、他の血液型よりマラリアに強いのです。多数の研究から、いまや疑う余地のない事実として認識されています。といっても「O型ならマラリアの感染を免れる」というわけではありません。感染率は他の血液型と大差ないのですが、悪化しにくいのです。なぜならO型の血液は、ロゼットが形成されにくいからです。O型は、血液凝固因子のひとつであるフォン・ウィルブランド因子(VWF)が薄いため、血液が固まりにくく、血栓症になりにくいという話をしました。O型でロゼットができにくいのも、どうやらVWFの薄さが関係しているらしいのです。
いや、話は逆です。人類はマラリアに対抗するために、VWFの薄い、つまりロゼットができにくい、O型という血液型を獲得したのです。それが血栓症にもなりにくいという、思わぬ効果をもたらしたというわけです。