戦隊ファンに励まされ 俳優・坂元亮介さん食道がん闘病2年
目が覚めると体中が管だらけ。開腹だけじゃなく、リンパ節の手術で背中も30~40センチ切ったので、まるで時代劇でバッサリ切られたような痕になっていますよ(笑い)。背中から肋骨を2本切って、手で肺をどかして1.5センチのがんを取ったそうです。
麻酔が切れると痛みが凄いんです。でも、そんな一番きつい時に実は仕事をしていました。入院前から決まっていたテレビの密着取材で、その仕事を受けるかどうか随分悩みましたよ。ただ、正直なところ治療費や生活費のことを考えて、断り切れませんでした。
管だらけでカッコ悪いし、本当は痛さや苦しさでどうにもならなかったんですけど、かつての役、スーパー戦隊「超電子バイオマン」のレッドの使命として、決して弱々しい姿は見せたくなかった。だからずっと気が抜けませんでしたね。
いまだに全国にバイオマンファンがいるんです。日本だけじゃなく、フランスやフィリピンなどでも放映され、世界のヒーローでもあるので、海外からも応援メッセージがたくさん届きました。
「レッドはがんに負けないでくれ」「レッドなら勝てると信じています!」とね。本当に力になりました。それがなければ、ひょっとしたら病から立ち直れなかったかもしれません。