落語家・柳家花緑さん 視聴者からの質問で発達障害を確信
「落語家ってバカがやる商売なんだね?」
小学生のとき、すでに落語でテレビに出ていたボクに向かって、同級生の女の子がそう言ったのを今でも強烈に覚えています。でも、それはきっとその子を傷つけるような何かを、先にボクが言ったに違いないんです。
ボクの病気「発達障害」にはそういうところがあります。「空気が読めない」いわゆる“KY”です。
それはもう、名前からして“花緑柳家”なんで仕方ないんですけれど(笑い)。
病気が分かったきっかけは、裏話をぶっちゃけるテレビ番組に出ることになって、幼少期の自分の通信簿を公表したことです。「実は小学校も中学校も主要5科目はオール1でした。けれども今は落語家として成功しています」という流れで放送されました。すると、ある視聴者の方から「うちの息子もディスレクシアです。花緑さんはどうやって病気を乗り越えられたのですか?」との質問が届いたんです。
「え?」と思いました。ボクは病気だなんて思っていなかったので何か勘違いされていると思い、美術と音楽は5だったことを説明し、「息子さんのご病気は本当にお気の毒ですが、ボクは勉強ができなかっただけで息子さんとは違うと思います」という趣旨の返事をしました。すると、その方は「やっぱりディスレクシアですね」と再確認されたのです。