白くて自然 歯科医が推奨「CAD/CAM冠」のメリットと疑問
■接着セメントが改良され外れやすさが改善
むろん、CAD/CAM冠にも問題点もある。施術後に冠が外れやすい、との声がネット上に多数上がっていることだ。たびたび冠が脱離するため、治療を巡って歯科医院と患者の間でトラブルになるケースもあると聞く。
「導入当初、歯科医師仲間から冠が外れやすいとの声があったのは確かです。原因はCAD/CAM冠の材料であるハイブリッドレジンは接着しやすい面が少なく、専用の接着セメントを使ってもくっつきにくかったからだといわれています。しかし、最近は接着セメントに改良が加えられて、接着セメントとハイブリッドレジンとの間にできる膜(ボンディング)の質が向上したうえ、土台となる支台歯の作り方が改善したことで接着が良くなりつつあります」
大臼歯は最も圧力がかかる歯だ。ハイブリッドレジンは硬質レジンよりも強度があるとはいえ、割れないか心配だ。
「絶対大丈夫ということは言えません。ただ、業界団体は自主的に規格を作り、小臼歯とは別の、強度・耐久性が向上した材料を開発しつつあります。色についても光の透過性などの点で違いがある。気づきにくいが他の歯と変わらないとは言い切れません」