新薬も続々 関節リウマチ治療は現在どこまで進んでいるか
発症してから治療開始までの期間が短いほど完治や寛解に至る可能性が高い。
一方、生物学的製剤は炎症に関わる特定のタンパク質や免疫細胞に働きかけるもので、MTXで寛解に至らない場合に併用する。
「大きく分けると『TNF阻害薬』『抗IL―6受容体抗体』『T細胞選択的共刺激阻害薬』の3カテゴリーがあります。ほかに日本では未認可の『B細胞阻害薬』もあります。ただ、リウマチは病態が非常に複雑なため、長年の研究でも、どの薬剤がどの患者さんに有効なのかは、はっきりわかっていません」
患者によってリウマチを引き起こす炎症物質は異なり、その見分け方もまだ解明されていないという。
「それでも、臨床試験では各薬剤で6~7割の患者さんに有効という結果が出ています。自宅でできる注射や病院で受ける点滴など、薬剤によって投薬方法が異なるため、患者さんの利便性を考えて医師が処方しています」
■予防についての研究も進行中
では現在、治療の研究がどういった方向に進んでいるのだろうか。