広がる治療の選択肢「潰瘍性大腸炎」で知っておくべきこと

公開日: 更新日:

「しかし1年かけてステロイドを減量した結果、半分はやめられませんでした。ステロイドは骨粗しょう症、肥満血圧上昇、緑内障、ムーンフェースなど副作用が多い。ヨーロッパでは“維持療法のゴールはステロイドフリー寛解(炎症を抑え、潰瘍性大腸炎の症状がない)”としている。一方、日本では『(ステロイドを)一生飲むんですよ』と処方されている患者さんもいる」

 潰瘍性大腸炎の治療には薬の服用のほか、大腸を手術で全摘する方法もある。ただし伊藤医師は、75歳以上は命に関わる危険があること、術後10年経っても年齢によっては便失禁や夜間に便を漏らす率が高くなること、女性不妊のリスクが上昇することなどの理由から、勧めてはいない。

「生物学的製剤がいくつも出ている今、これらを使った内科的治療をしっかりとやり、手術を回避する必要があります」

 現在は、バイオシミラー(ジェネリックのような位置付けの薬)も登場し、薬価を抑えることも可能。簡単に口から飲め、注射薬と同等の効果を得られる薬も出ている。治療選択肢が広がったことの恩恵を十分に受けるべきなのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 2
    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

  3. 3
    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

  4. 4
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 5
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  1. 6
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  2. 7
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  3. 8
    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

  4. 9
    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

  5. 10
    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題