いい状態と悪い状態を繰り返すレビー小体型認知症の接し方
動作が緩慢であっても、せかすのではなく、親の動きに合わせてあげること。せかすことで転倒したり、ケガをすれば、さらに親の行動が制限され、結果として脳に悪影響を与えることになる。
いずれにせよ、子どもはこのレビー小体型認知症の特性をきちんと理解して親と接することが大切だ。
レビー小体型認知症に限らず、ほかの認知症を含めて老化現象が顕著になった親を持つ子どもの多くは「年だから」と諦めてしまいがちだ。だが、子どものそうしたスタンスは、認知症の症状をさらに進めてしまうことになりかねない。
現代の医学では認知症の進行を完全に止めること、治すことはできない。だが、これまで述べてきたように、進行を遅らせることは可能だ。進行を抑える効果が認められている薬もある。
冒頭で述べたように高齢の親に的確な診断を受けさせた上で、認知症の親に正面から向き合いつつ、多少なりとも効果が認められている治療法を試みた上で、親がまだできることを維持することを心がけるべきだ。
日常の積み重ねが生活の質を低下させないことにつながるのである。