著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

ミネラル豊富というが…「麦茶が熱中症に良い」は本当か?

公開日: 更新日:

 今は梅雨で湿度が高く、気温も乱高下していますから、気温の高い日には熱中症が起こりやすくなります。熱中症予防にはまめに水分を取ることが重要です。その時の水分はどんなものが良いのでしょうか? スポーツドリンクや経口補水液は、ある程度、脱水状態を想定している飲み物なので、ただの水よりは効果的であることは間違いありません。

 ただ、塩分と糖分が多く含まれているので、そればかり飲むことは健康に良いとはいえません。高血圧糖尿病の方に適しているとは言えません。最近言われることが多いのが麦茶の効能です。

 麦茶は緑茶と違って、カフェインがほとんど含まれていないので、脱水になる危険や、心臓に負担のかかる危険は低い飲み物です。更に水よりカリウムや亜鉛などのミネラル分が多いので、その補充になると考えられています。

 ただ、実際にはカリウムなどの含有量はコーヒーや緑茶の方が多く、塩分もほとんど含まれていないので、汗で失われた塩分やミネラルの補給に十分とは言えません。そこで麦茶を熱中症予防に使う時には、お塩を少し入れたり、梅干しを少し入れるような工夫が、効果を高めるのでお勧めです。

 最近の研究では熱中症だけではなく、冷房での体調不良にも、皮膚の血流を改善することで効果があるようです。夏には確かに麦茶は適した飲み物であるようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に