生後2カ月でお腹にがんができた女の子に思った「命の価値」
「たくさんの医療費がかかり、たくさんの人に迷惑をかけて、そして死んでいくだけ……いや、そうではないのだ」
双方の医師と看護師の間で交わされるたくさんの申し送りを聞いていて、大事に大事に、専門病院のスタッフみんなが一緒になって、Tちゃんと共に病気と闘ってきたことが分かりました。Tちゃんの命を一生懸命に守ってきたのです。そして、Tちゃんのこのリラックスしている状態がみんなに勇気と希望をくれているのです。
「『いらっしゃい。1歳おめでとう』という言葉にすべてが表れているじゃないか! この子、Tちゃんの命の価値はすごい。すごい。『おめでとう』なのだ」
この子の人生では何かできたか。何か目的が果たせたか? そうではないのです。この子はなにも知らない。なにも考えていない。でも、この子の様子を見て、周りで働くみんなを見ていて、私はTちゃんが生まれてきた意味、1年生きてきた意味があったのだ、と思ったのです。
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