汗を多くかいて痩せた気に…夏ダイエット「3つの勘違い」
長い梅雨が明け、夏本来の強い日差しが戻ってきた。噴き出す汗で張り出したお腹がワイシャツから透けて見える。だらしない体を恥ずかしく思う中高年もいるだろう。なかには“いまからでもダイエットしたい”と考える人もいるかもしれない。しかし、実は夏はダイエットするのが難しい季節なのだ。それはなぜか。早稲田大学持続型食・農・バイオ研究所重点領域研究機構招聘研究員で愛国学園短期大学非常勤講師の古谷彰子氏に聞いた。
「夏はスポーツをしているときのように汗をたくさんかくので自然と脂肪が燃焼されて痩せやすいと思いがちですが、誤解です。発汗はあくまでも体温調節の手段として起きるもので、『汗をかくこと=脂肪を燃焼すること』ではありません。汗をかいて体重が減ったとしても、それは水分が抜けただけで、痩せたことにはなりません。むしろ夏は太る季節なのです」
実際、自衛隊員を対象にした調査では、基礎代謝のピークは4月で、それ以降10月に向けて下がっていくという報告がある。
「基礎代謝とは、体温の維持のほかに、心臓を動かしたり、呼吸したりするなど生命活動に消費されるエネルギーをいいます。夏場は気温が体温に近くなるために、体温維持に冬ほどエネルギーを使う必要がないため、基礎代謝が下がるのです」