がんを根絶できなくても「治療法がある」という事実は大切
2年前に膣からの出血が時々あったNさん(75歳・女性)は、自宅近くにあるB総合病院の婦人科で「進行した子宮がん」と診断され、手術、抗がん剤、放射線治療を受けました。
その後は小康状態でしたが、6カ月ほど前から下肢の浮腫が強くなってきて、歩くのも一苦労です。買い物などは隣町に住む娘さんに来てもらって済ませ、何とか一人暮らしを続けていました。
そんな中、1カ月ほど前からまた時々出血が見られるようになったので、娘さんと一緒にB病院の婦人科に行きました。そして、医師からこう言われたそうです。
「なかなか難しいね。今は出血は止まっているし、また出血で困ることがあったら来てください。治療はもう終わっているし、緩和ですね」
Nさんは、「緩和」と言われたことがとてもショックでした。がんに対する治療が終わっているのは仕方がないとしても、出血や下肢のむくみを何とかして欲しい。もし出血が止まらなくなったり、下肢のむくみがひどくなって象の足のようになったらどうしよう。歩くのが大変になってトイレに行けなくなったら……などと考えただけで怖くなってきました。