3つの病気に注意 「視力」が悪い人は認知症リスクが高い
「加齢で発症リスクが高くなる目の疾患は、主に3つあります。白内障、緑内障、加齢黄斑変性です」
たとえば、白内障は目の中のレンズの役割をする水晶体が濁って見えづらくなる病気だが、手術で濁った水晶体を取り除き、人工の水晶体を入れて視力を取り戻すと、認知機能が改善することが研究で確認されている。治療法がないのなら別だが、白内障、緑内障、加齢黄斑変性はいずれも治療法があるのだから、利用しない手はない。
■片目の視力が悪くてももう片方で補うので気づきにくい
「問題は、一方の目が白内障や緑内障、加齢黄斑変性を発症していても、もう一方の目で視力を補ってしまうため、患者さん本人がなかなか気づかない点です。気がついたときには相当進行しているケースも珍しくない」 緑内障や加齢黄斑変性では、落ちた視力は元に戻せない。
対応が遅れれば、視力を失ってしまう可能性もある。「新規に視覚障害認定を受けた18歳以上の視覚障害者」(2015年)のうち、緑内障はトップで28・6%。加齢黄斑変性症は8%で第4位だった。視力が著しく落ちてから後悔しても遅い。