インフルが早くも流行の兆し 5つの薬の解熱時間の違いは
B型は小児が感染すると重くなるが、成人感染は症状が軽い。
昨シーズンに“隠れインフル”が流行語になったのは、風邪かと思って受診したらB型が見つかったため。その背景に簡単に診断できる簡易キットの普及があり、最近はB型が増加傾向だという。
「高熱を起こすのはA型で、一般にH1N1とH3N2の方が高い傾向があります」
「インフルエンザ診療マニュアル2019-2020年シーズン版」によれば、どちらも最高体温は年齢が上がるにつれて低くなり、インフルのイメージ通りの39度以上になるのはH1N1で10代まで、H3N2で30代までだ。どちらも40代以上は38度台にとどまる。
気になるのは、薬の治療効果だろう。種類は、タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタ、ゾフルーザの5種類。A型におけるこれらの薬の平均解熱時間は、タミフル27.7時間、リレンザ32.8時間、イナビル27.4時間、ラピアクタ30.5時間、ゾフルーザ24.5時間とそれほど大差がないが……。
「パンデミック以降、タミフルとラピアクタについては、一定数、薬が効きにくいタイプのウイルスが検出されています。また、ゾフルーザはほかの4剤に比べて、体内からウイルスを減らす効果が高い。服用の仕方も、内服や吸入、点滴静注などさまざまなので、患者さんの状況やウイルスなどに応じて使い分けることが大切です」