中川恵一
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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

八千草薫さんは肝臓にも すい臓腫瘍IPMNはMRIで早期発見

公開日: 更新日:

 女優・八千草薫さんの命を奪ったのは、膵臓がんでした。今年の予測値では、膵臓がんの死亡数は3万5700人と推計されていて第4位。この10年で5割増です。

 死亡数が膵臓がんを上回る肺がん大腸がん胃がんの罹患数は10万人を超えますが、膵臓がんの罹患数は4万人ほどですから、厄介ながんであることが見て取れるでしょう。

 そんな膵臓がんについて、注目されているのが膵嚢胞です。嚢胞は、内部に液体をためた袋状のもので、皮膚や唇などにできる水ぶくれもそのひとつ。膵臓にできるのが、膵嚢胞です。

 それが、膵臓で作られた消化液の膵液を十二指腸に流す膵管にできると、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)と呼ばれます。IPMNは、早期なら良性なのですが、時間の経過によってがん化することがあるのです。

 画像検査の進歩で、早期のIPMNが発見されることは珍しくありません。CT検査では1~3%、MRI検査では10~20%の確率で発見されるという報告も。

 早期なら7~8割は無症状といわれますから、画像検査の副産物といえるでしょうが、その効果は見逃せません。

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